熊本DARC 5周年フォーラムによせて ダルクを支援する会 会計理事 J.H

 足元が揺らぐような、先の見えない不安を感じながらの年の瀬になりました。世の中でもいろいろなことがありすぎた、あっという間の一年でした。そして、2003年9月に熊本市にダルクが開所してから早5年が過ぎました。現在、熊本ダルクは、ほとんどが皆様の貴重な寄付で運営されています。公的な援助を望みつつ、実現にまだ多くの努力を必要としています。施設長を中心に熊本ダルクを支援する会でも今後の運営について話し合っています。自立支援法に沿ってやるならNPO法人化を避けて通れないとのことで、先日多くの人のご足労を得て立ち上げのための設立総会が開催されました。しかし、今後も困難は続くと思われます。

 11月3日に熊本県立総合体育館の会議室で熊本DARC 5周年フォーラムが開催されました。事前の連絡の不十分さにもかかわらず、100名を超える方に参加して頂きました。ありがとうございました。

 仲間のメッセージとともにゲストが3人来られました。それぞれ個性的で、中身のある話をして頂き

ました。最初は、上岡陽江氏(ダルク女性ハウス代表)でした。回復者で精神保健福祉士です。依存症の女性の回復と、依存症の親をもつ子どものプログラムづくりに力をそそぎ、仲間とともに施設の運営に携わっています。初めから音楽と映像で雰囲気を盛り上げ、にぎやかに話が進みました。『私たちはなぜ寂しいか』のテーマでスライドもおもしろく、「応援団がいない、境界線を壊される、危うい関係にはまりやすい、健全な距離でも寂しさを感じてしまう、『ニコイチの関係』を求める、周囲の協力を得て安全な距離感を学ぶ、それはアディクトとにとってはちょっと寂しい距離感かな」など、問題の起こり方から回復までのわかりやすい説明でした。最後に愚痴をこぼすことがポイントと付け加えられました。 二人目は、外山憲治氏(三河ダルク代表)が、東京ダルクスタッフから、名古屋ダルク・三重ダルク・岐阜ダルクの開所の中での体験談を話して頂きました。ユーモアを交えた話の中に、「自分の中にあるものを手放していくという過程があった、一人の人間として仲間に支えられて生きている。」という話に重みを感じました。三人目は、西川京子先生(福井県立大学看護福祉学部准教授)で、家族システム論から「薬物依存維持システム」の話でした。前にもお聞きしたことがありました。またあらためて聞き直してみても親が対等な関係に降りていく、互いに自分に責任を持つ、そうだと深く入ってきます。本人と家族の悩み苦しみに長年接し、その社会福祉援助を実践されているので、一言ひとことが染み通りました。心理教育にも造詣が深いので、その暖かみにあふれ落ち着いた口調での語り口を聞くだけでもなぜか安心します。後、若い人の自殺の話と、断薬とともに問題解決スキルを身につけることの必要性、またメキシコでの回復施設「希望の家」を話され、時間が足りませんでした。

 上岡さんが講演の中で、愚痴が大事と言われました。以下は私の愚痴です。  毎日、いろんなことがあるのが人生。もうだめだもうだめだと思いながら毎日が過ぎていく。今日一日が終わって、ほっとすることもあれば、昨日は職場の仲間が「今日は仕事に出てきたくなかった。」と。その気持ちわかる。次々にへこむことが起これば、そう言いたくもなる。今日は、行軍。院内の断酒プログラムで、アル中、薬中のみんなと一緒に雨の中を出かける。12月の雨は冷たい。でも今年一番の寒さだった二、三日前の雨よりはいい。幸い、昼から雨もあがった。「何とか一年経った。」と歩いているとき言われた。そうか、一年か、よく止まったなあ。いろんな出来事が次々に起こったのに。また、いつもは途中で棄権する人が、今日は最後まで歩き続けた。休みが適当にあって、遅れがちな人をみんなで待つ。追いついてくるたびに満面の笑顔。後から、ミーティングで魔法の笑顔と呼ばれた。帰ってみると、職員が理不尽な怒りに今日もさらされたと。そんな時、はける場所があればと思う。さっきの彼も、はける場所があったから続いたと。食べ吐きする病気がある。なかなか止まらない病気だ。吐くときに脳内で、麻薬に似た物質が出ると聞いた。食べるときは、実感する。緊張から解放されて血圧も下がる。「ストレスが溜まると食べる」は、私に対するかみさん評だ。食べ吐きする病気も、ミィーティングの中で回復していく。言葉で吐くことで成長する。ある家族が言った。断酒会漬けじゃないですか、依存じゃないですかと。そ、そうです。でも、依存-成長-自立があるかないかはとても重要。でも、自分が歳は十分取ったが成長しているか疑問。今年、職場の病院の中での講演会で質問したら、「怒りの問題を言う人は、怒りの問題がある。」とずばり言われた。納得。先日、熊本アルコール関連問題学会があった。発表したどの病院も「よいところを見ていこう、出来ることをやっていこう」と。実際には怒りがあるんだろうなと思いつつ、あんなには出来ないなとうつむいた。自分が変わる、弱さを認めていくことかな。わかっちゃいるけどなかなか進めません。

〒862-0971 熊本県熊本市 大江2-14-14 1F 096-202-4699 電話対応月-金 10:00 - 18:00 ※予定により不在の場合がございます